第三章 宇宙と人間

【光のメロディー集/・・・神様の願い・・・

 すでに夕日が沈み夜の帳が下り始めたころ、私は息を切らして川辺に到着した。昨日と違って今日の私は車でなかったので、駅からここまで一生懸命走ってきたのだった。ここにくる途中河川敷のゴルフ場があり、昼間は派手なウエアに身を包んだゴルファーの姿がみられるのだが、今は人影はまったくなく闇と静寂だけが訪れつつあった。

 老人の姿は、すでに昨日と同じ土手の上にあった。

 「お待たせ致しました。」

 私は息を整えると、昨晩と同じように老人の横に腰を下したが、座るなり老人は口を開いた。

 「あなたはゴルフをおやりですかな?。」

 「以前少しやっていました。」

 私は神妙に答えた。

 「ゴルフというスポーツは実にメンタルなゲームのようで、心の鍛練には大いに役立つようですなあ!。」

 「ええ、そのようです。」

 「どのような芸事も、名人芸に近づくと心の錬磨が最終目標となるようで、宮本武蔵も晩年自分の心を見詰める座禅を行ったといわれます。技術は練習次第で上達させられるが、心はそう簡単にはいかない。不動心をつくるには心という生き物を知って、それを征服しなければならないからです。それでは、その不思議で掴みどころのない心をもった人間とはいかなる生き物か?、その謎に迫ってみることにしましょう。」