《 時計のない生活 》
大自然の中には時計は存在しない
『時』があるように見えて
本当は何もない
人は皆と同じ時を過ごしているように思っているが
一人一人、『時間』は違う
そして自分が死ぬと
『時間』は止まるのだ
大自然の中には時計はない
時計はないが肌で一日を感じることができる
大自然の中に身を置く生活は
『時』を実感できるのだ
大自然の中では
その日その日一日ごとに
光や風やにおいがそれぞれ違う
しかし現代社会の中で
時計に依存している一日は
あっという間に過ぎ去ってしまう
そこに自分がいるようで『存在』していないのだ
大自然の世界はすべてが生き生きと動いている
大自然はそこに『存在』する
大自然は人が出現する前からそこにあり
永遠に続いているのだ
人の体も本当は大自然の一部なのだ
朝日と共に動き出し
日没とともに心も体も眠りに入る
大自然と一体になることで
大自然を受け入れることができる
心が本当に静かになると
大自然の空気
樹木が水を吸い上げる音
草花が揺れる音
葉っぱの掠れ合う音
小鳥や虫の鳴き声
大地の鼓動までもが
身体の隅々にまで流れるようになる
肌で本当の『時』を感じることができるのだ
時を感じる『空間』
それが『生きる』ということだ
たまには
時計のない生活も
素晴らしいものだ