この宇宙には、きっちりとした秩序があります。秩序があるということは、意識があり意志があるということです。ということは、この宇宙で展開されるどんなできごとにも意味があり、目的があるということになるでしょう。なぜなら、意味も目的も無い意志はありえないからです。では宇宙意志は、一体何を目指しているのでしょうか?。
宇宙は「真・善・美」を枕とした大調和を目指しております。宇宙が常に安定した運航を保っていられるのは、この大調和の意志がどこまでも貫かれているからです。では宇宙の意志は、どのような形で実現されているのでしょうか?。
それは人間が、宇宙意志の手足となって働くことで実現されております。人間がものを考え、言葉を持ち、字や絵を描き、コンピューターを操り、ビルを建て、この世界に様々な創造をなしているのは、正に宇宙意志の手足となって働いている証であり、宇宙が人間を通して自分の意思を実現させている何ものでもないのです。まずこの事実を知ってください。
さて、宇宙で展開されるどんなできごとにも意味があり、目的があるならば、当然この世で起きているどんなできごとにも、意味があり、目的があることになります。では病気には、一体どのような意味があるのでしょうか?。
(その一)
宇宙意志はしっかりとした監視の目を持って、地球上の生き物達を調和へ調和へと導いております。もし調和を乱そうものなら、この監視の抑制力が働きだし、そく座に不調和を解消しようとします。たとえば水や空気や土が汚れれば、台風がその汚れを解消します。汚れた想念が地上に溜まれば、雷がその汚れを解消しようとします。さらに地下に溜まれば、地震がその汚れを解消しようとします。そして人体に溜まれば、病気がその汚れを解消しようとします。台風も、雷も、地震も、病も、人間にとっては災難ですが、その災難が人間を目覚めさそうとしているのです。もし病気が無かったら、人類はとっくに自滅していたことでしょう。これまで人類が曲がりなりにも生存してこられたのは、病気という抑制力によって行動が制御されてきたからです。
たとえば性の退廃が始まると、エイズという病気が生まれました。物質に偏り始めたら、ガンという病気が生まれました。グルメに狂い始めたら、狂牛病やO―157や鳥インフレエンザなどの病気が生まれました。このように、まるで人類の乱行に釘を刺すように新しい病気が生まれているのです。これを偶然と見るか必然と見るかは皆さんの良識に任せますが、どちらにしても宇宙の監視の目によって抑制されていることは疑い無いことなのです。(監視の目とは、原因と結果の法則のことである)
(その二)
人間は肉体を自分だと思っています。でも人間の本性は、生命なのです。(この事はとても大切なので、詳しく知りたい方は「人類の夜明2・3」を読んで下さい)
自分のことを人間と思っている限り、欲望を膨らませ、感情を掻き立て、怒り、憎しみ、恨み、競い、奪い、戦争をし、病気をし、事故を起こし、地球環境を破壊します。これでは人類の生存は不可能です。そこで宇宙意志は、人間を目覚めさす手段として病気や不幸を用意したのです。これは人間をいじめるためではありません。あくまでも自分の本性に気付いてもらうためです。事実、多くの人が不幸を切っ掛けに、人生の思索をはじめるようになっています。残念ですが、人間はこの身で苦しみや悲しみを体験しなければ、なかなか真実を見詰めようとしないのです。
このように病気は、人間を迷いから目覚めさす手段として用意した、宇宙意志からのメッセージなのです。
病気は宇宙意志が用意したメッセージだといいましたが、見方を変えれば、人間自らが作った原因に対する結果として起きているのです。火の無い所に煙が立たないように、事が起きるには起きるだけの原因が必ずあるということです。
人間は不幸を人のせいにしますが、外から与えられた不幸など一つもありません。すべて身から出た錆です。この宇宙には、奇跡も偶然も無いのです。すべて必然です。原因あっての結果です。「因果の法則を犯せば悪いことが起きる。因果の法則を守れば良いことが起きる。」このことに気づいてもらいたくて、宇宙意志は病気を用意したのです。
では宇宙意志は、最終的に人類に何を望んでいるのでしょうか? それは、この地球上に理想の世を築いてもらうことを望んでいるのです。そのためには、どうしても己の本性に目覚めてもらわなくてはなりません。そこで宇宙意志は、難解な病気を人類に与え、疑問を持たせるよう仕向けたのです。人類に万能の薬が与えないのは、そのためです。もし与えたら、何の疑問も持たない人間になってしまうでしょう。病気治療が難しければ難しいほど、深く疑問を持ち真剣に人生の思索を始めるようになるのです。その意味では、どんなに医学が進歩しても自分の本性に目覚め無い限り、地球上から病気が無くなることはないでしょう。また、そうでなくては人類は成長しないのです。といっても人類は、いつまでも幼いままではありません。苦しみや悲しみを通して大人になり、やがて自分の本性に目覚めることでしょう。その時こそ、地球に理想の世が作られるのです。
このように宇宙意志は、壮大な計画を持って人類を行くべき処へ運んでいるのです。それはそれは、気の遠くなる年月をかけた一大事業です。人間の目は近視眼的にできていますので、計画の全容は見えないかも知れませんが、宇宙意志はしっかりとした目的意識を持って人類を導いているのです。